身近にある薬草「クチナシ」
クチナシの実は、栗きんとんや漬け物の色付けに使いますよね。スーパーでもこんな感じで売られていますので、実際に使われた方も多いと思います。
クチナシの花は白くて香りも良いので、よく目にされていると思います。秋を過ぎても実が口を開けないので「口無し」と呼ばれ、実の形が底の丸い「巵(さかずき)」に似ていることから梔子(しし)と呼ばれているようです。
漢方ではクチナシの実を山梔子(さんしし、梔子、水梔子)と呼んで、黄連解毒湯、温清飲、荊芥連翹湯、清上防風湯、辛夷清肺湯、清肺湯、五淋散、加味逍遥散、柴胡清肝湯、茵蔯蒿湯、梔子柏皮湯などに使っています。局部的な炎症を抑えるだけでなく、イライラなどの精神状態も鎮静する効果や黄疸を退かす効果もあります。
薬効:
①山梔子を1日10〜15グラム煎じて服用すれば解毒剤としてキノコや魚の中毒に効果がある。
②①と同様に煎じて服用すれば、消炎、解毒、利尿、止血、鎮痛の効果がある。
③うがいに使えば、喉の痛みに効果がある。
④山梔子を炒って粉末にして服用すれば、肛門からの出血や鼻血を止める効果がある。
その他:
果実は黄色染料に、花から香料を採集する。
参考:よく効く民間薬100 村上光太郎
漢方のくすりの事典