台所にある野菜の人参(にんじん)はセリ科の植物で、赤い色をしていてカロチンをたくさん含んでいます。
一方、漢方薬の人参(にんじん)は、ウコギ科の植物で野菜の人参とは全く別のものです。
高麗人参、朝鮮人参などとも呼ばれ、体を元気にする作用があります。
漢方薬の人参の歴史は古く、今から1300年も昔に中国大陸から日本に伝えられました。
江戸時代には日本でも栽培されるようになりました。
野菜の人参は、明治になってから日本の食卓に上るようになりました。
形が「朝鮮人参」に似ていたので「にんじん」と呼ばれるようになりました。
そんな漢方薬に使われる人参にもいろんな種類があります。
朝鮮人参にも処理の仕方で、色の白っぽいものや飴色のものがあったりします。
漢方薬に使われる人参には、朝鮮人参とは植物の種類が違うけど、人参と呼ばれている西洋人参、田七人参、シベリア人参があります。
この中で田七人参(三七人参・田三七などとも呼ばれます)と言われるものが、変わった効果を持っているんです。
中国の雲南の辺りが生産地です。
この田七人参、血の流れを良くするんですが、出血は止めるんです。
それで、傷の治りも早くなるんです。
怪我をした時の出血を止めたり、痛みを緩和したりします。
消化性潰瘍の出血や痛みにも効きます。
さらには、女性の生理がなかなか止まらない時にも効きます。
この田七を使った不思議な中国のお薬「雲南白薬」の事は「実は今朝、派手に転けちゃったんです」で紹介しています。
手術の前後に飲んでおくと傷の治りが早かったりします。
傷の回りの血行を良くして傷の治りが早くなります。
雲南白薬は日本では販売されていません。
これに似た作用の漢方薬もあります。
もし派手に転けて内出血がひどい場合など、
漢方薬を飲めば早く腫れがひいたり、内出血が早く治ったりします。
必要があれば、ご相談下さい。
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