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からだを温める食材、冷やす食材

普段食べている食材には、からだを温めたり(「温性」・「熱性」)、冷やしたり(「涼性」・「寒性」)、または何も変化をさせない(「平性」)という性質があります。これを食性(「五性」)と言います。

漢方薬の材料の生薬にも「五性」があります。生薬の組み合わせでできている漢方薬は、その組み合わされている生薬の性質で、温める性質が強いのか冷やす性質が強いのかが分かります。

同じように食材にも五性があるので、このメニューは身体を温めるのか、冷やすのかも考える事ができます。

今の季節は冬ですから、からだを温めるのが気持ちいいですよね。
反対に夏は、からだを適度に冷やすのがいいですよね。

温める食材には、
唐辛子、胡椒、山椒、生姜などの香辛料の他に、
◆ 魚介類:鮭・いわし・あんこう・アジ・鯖・太刀魚・ふぐ・ブリなど
◆ 肉類:牛すじ・鶏肉・羊肉など
◆ 野菜類:かぶら・黄ニラ・パクチー・たまねぎ・ニラ・ニンニク・ネギ・パセリなど

冷やす食材には、
夏野菜のなす、トマト、きゅうり、ゴーヤの他に、冬の料理にも大活躍の大根、ごぼうなどがあります。
◆ 魚介類:あさり、ウニ、蟹、シジミ、タコ、はも、はまぐり、ひじき、もずく、わかめ、昆布など
◆ 肉類:合鴨、牛タン、馬肉など
◆ 野菜類:クレソン、くわい、小松菜、シメジ、ジュンサイ、ズッキーニ、セリ、セロリ、竹の子、冬瓜、トウモロコシ、ふきのとう、ほうれん草、もやし、レタス、蓮根など

上海がに
これは北京で食べた上海蟹です。この時は、紹興酒をいっぱい飲みました。
先生には「蟹は冷やすから、お酒で温めるんだ」と教えられました・・・
北京の病院で食べた薬膳の時は、さすがにお酒はついてこなかったので、蟹を生姜の入ったタレにつけるようになっていました。

調べてみると、温める食材って少ないなぁと思いました。
冷やす食材は、野菜は夏野菜をメインに色々ありますし、水の中で採れるものも冷やす性質のものが多いですね。
食事の最初に生野菜をたっぷりと食べるのが健康にいいと聞いても、季節が冬だったり、冷え性だったりしたら、ちょっと待てよと思って下さいね。
生野菜と一緒に、あるいはその後に、温める食材はキチンと摂れてますか?

二日酔いに効くなんて言われるシジミですが、熱を冷ます作用もあるからアルコール(麦酒は寒性とされていますが、ほとんどのお酒は温性か熱性)で熱を持った体にはいいんですね。
お酒は熱を持っていますから、それを冷ますようなデザートはいいと思います。
今の季節のフルーツなら柿とかどうでしょうか。

食材の7割は温めもしない、冷やしもしない性質(これを平性といいます)です。
「平性」とは、平和な性質ということを表していて、効能が穏やかで特別な注意をせずに毎日食べても大丈夫ということ。
毎日食べている、お米(玄米も白米も)は平性です。ちなみに、もち米は温性、小麦は涼性です。

こんな感じで、食材にも食性があります。
いろいろと組み合わせて、冷やしすぎない、温めすぎないバランスをとって、季節や体調に合わせて調節してください。


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