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めまいは体の中に風が吹くことで起こります

昨日、岡山漢方研究会で話した内容を小出しにして、紹介します。

春は一年のなかでの、冬(陰)から夏(陽)へ切り替わる季節です。

漢方では、春に活発になりやすい臓腑は「肝」と考えています。

「肝」はどんな性質なのかというと、自然界の木が上に向かって枝を伸ばして成長する様子が、「肝」の気・血・水をからだの隅々に巡らせる作用と似ているのです。

肝と木
大木は見ていると心が安らぎますよね~

木々が上に枝を伸ばして成長する様子と、肝が上方向や外側に向かって色々な物を巡らす働きはよく似ています。
自然界の春の芽吹きや春の風と肝の働きを重ね合わせて、春は肝の季節と表現しています。

春の気の上昇が人間にも影響して、血圧上昇やめまい、木の芽立ちの季節だから精神的に不安定になる、病院に訳の分からない電話がおおくなるなど春らしい症状が起きてきます。

そして、春は自然界の変化だけでなく、社会環境の変化も加わるので、肝の病が起きやすい季節でもあります。

春は「春一番」という言葉があるように、風が吹きやすい季節です。

肝の病気でも、からだの中に風が吹いているのと同じような状態が起こります。
自然界で強い風が吹いたときに、木々の枝が震えたり、ゆれたり、強風で身動きがしにくくなるのと同じように、からだの中の風により、ふるえ・しびれ・半身不随・活動不便・かゆみ・めまいなどが起きます。

中医学のバイブル『素問』では、「ももろもの内風・ふらつき・めまいは皆肝に属す」と書かれていて、めまいをおこすからだの中に吹く風は、肝が原因ですよと言っています。


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