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ストレスの養生

「肝」の養生で心のトラブル予防

お彼岸も過ぎて、草花も一気に芽吹いたり花を咲かせる季節になりました。「花冷え」という言葉があるように、桜の咲くころは陽気が定まらず、一時的に冷え込むことがあります。このように春は気候の変化が激しく、家庭や職場でも様々な変化の多い季節です。ひとのこころも不安定になりやすい時期です。ストレスと上手につきあえる漢方の知恵を紹介します。
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こころの元気は「気」と「血」の充実がカギ


気分が落ち込む、イライラする、やる気が出ない・・・元気なときは上手く対応できていたストレスが、年度末の忙しさなどで体調を崩すと上手く対応できない、そんな経験はありませんか?
漢方ではこころの不調にも身体の状態が深く関係している(心身一如)と考えます。ですから、こころの不調もまず体の不調から改善して、こころと体を健やかにするようにします。
こころの健康の源は、元気の源である「気(き)」とこころを安定させて、体に栄養を与える「血(けつ)」です。この「気」と「血」が十分あれば、ストレスを上手に解消できるのですが、疲れや睡眠不足などで「気」と「血」が不足したり、スムーズに体内を巡らなくなるとストレスに影響を強く受けてこころの不調が現れやすくなります。
「気」と「血」を充実させ、スムーズに巡らせるためには、「肝(かん)」を養って元気に保つことが大切と考えます。漢方でいう「肝(かん)」は、現代医学の肝臓の機能に、自律神経の働きを加えたようなものと考えています。
「肝(かん)」は全身に「気」・「血」・「津液(しんえき:潤い)」を滞りなく巡らせる働きと、巡らせる量を適切に調整する働きがあります。この働きのおかげで、感情を伸びやかに保つことができたり、全身に栄養分である「血」や「津液」が行き渡り、体が健康に保たれるのです。
春の時期は積極的に「肝(かん)」の養生を心がけて、ストレスを上手に発散させてこころのトラブルを防ぎましょう。

肝(かん)の養生法


☆ 食の養生
1) 肝の働きを整える
  かつお、しじみ、あわび、あさり、わかめ、竹の子、うど、クレソン、わらび、ごぼうなど
2) 香りでストレスを発散
そば、みかんの皮、みつば、みょうが、大葉、春菊、ミント茶、ジャスミン茶など
3) 肝の血を養う
レバー、ごま、ひじき、うなぎ、ブルーベリー、なつめ、クコの実など
4) 春に上昇しやすい、肝の気の上昇を抑える
酢の物、いちご、レモン、梅干し
☆ 生活習慣での養生
なんとなく憂うつ、イライラする、そんな気持ちを感じ始めたら、それは小さなこころの不調のサインです。ストレスだからとあきらめず、食事や生活習慣を見直してこまめな改善をこころがけましょう。のんびりと日々を過ごすようにして、いつも明るい気持ちでいられるようにこころがけることが大切です。
参考:チャイナビュー172号

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