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冬から始める花粉症予防

「冬から始める花粉症予防」

 寒さの厳しい日が続きますが、2月3日は節分、そして16日は備前平野に春を呼ぶと言われる西大寺観音院の裸祭り、春はもうすぐです。春になると気になるのが花粉。漢方では「冬の間に身体を整え、春の病気を防ぐ」という考え方があります。寒い今から、しっかりと体調を整えて、花粉に負けない身体を作りましょう。
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(後楽園のロウバイです)

☆身体の免疫力アップ☆

 春は風(かぜ)の強い季節です。漢方ではこれを「風(ふう)」と言い、からだに悪さをすると「風邪(ふうじゃ)」になると考えています。「風邪(ふうじゃ)」が、ウイルスや花粉をからだに侵入させて、カゼ(風邪と書きますね)や花粉症を引き起こすと考えています。
 風邪(ふうじゃ)をはねのけるためには、身体の生命力・抵抗力である「正気(せいき)」を高める必要があります。また、からだのバリア機能である「衛気(えき)」も大切になります。「衛気(えき)」はからだの表面を巡り、毛穴の開閉をコントロールして発汗を調節しています。病気の原因になる邪気(じゃき)は毛穴から侵入するので、「衛気(えき)」が充実していれば花粉やウイルスの侵入も防ぐ事ができます。
 正気や衛気などの「気」は目に見えませんが、邪気が侵入しないようにからだを守り、からだの中では邪気と戦って撃退したり、体力を回復させたり、からだを守って元気に保つ大切な役割をもっています。
 花粉症は命に関わる病気ではありませんが、花粉症の症状は日常生活の質を低下させる不快なものです。漢方の知恵をいかして、花粉症を予防したいものですね。

☆予防のカギは「気」。「肺」と「脾胃(ひい)」を元気に☆

 花粉症予防のためには、「気(正気(せいき)と衛気(えき))」が大切な役割を持ちます。寒い今から、その気を充実さえておくのが予防のカギになります。
 そのためには、食べ物から「気」をつくる工場である「脾胃(ひい)」を元気に保つことが大切です。「脾胃(ひい)」は現代医学で言う消化吸収に関係するものです。
 
 さらに「気」は「肺」で吸収された大気中の酸素からもつくられます。「肺」は防衛の役割のある「衛気」を全身に巡らせる役割もあります。「脾胃」は体内の水分をスムーズに巡らせる役割もあります。ですから、「肺」や「脾胃(ひい)」が弱くなるとからだの防衛力が低下したり、水分が停滞して鼻炎を招いたり、花粉症が悪化したりする原因になります。
 日頃からかぜをひきやすい、呼吸器が弱い、胃もたれ食欲不振などの胃腸の不調があるひとは、意識して「肺」と「脾胃(ひい)」を整えるようにして下さい。胃腸に負担をかける冷たいものを控えるのも大切です。身体を温める根菜類を積極的に食べるのもおすすめです。
※肺の養生
肺に潤いを与え、働きをよくする食材
白きくらげ、百合根、はちみつ、豚足、鶏手羽など
百合根の入った茶碗蒸しなどいかがですか?
※脾胃の養生
脾胃を養い、元気をつける食材
米、大豆製品、インゲン豆、なつめ、リンゴなど

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