北京から帰ってきて、もう一ヶ月が経ちました(^^ゞ
まだ、北京ネタかと言われそうですが、恥ずかしい文書が日本中医薬研究会の会報「天空」に掲載されたので、丸ごと転載?しておきます。
10月8日〜11日、北京研修に参加させていただきました。この研修は中医基礎・診断学講座の受講者の卒業旅行として企画された研修です。中医学の初学者に中医学発祥の地である中国の気候・文化を肌で感じ、日本の坐学ではなかなか理解の難しい「舌診」、「脈診」を実際に行うのが目的でした。
参加者は案内役の武藤勝俊先生を含めて7人と少人数で、私をはじめ4名が初めての中国でした。私の勝手な中国のイメージは、大変失礼なのですが“人民服と大量の自転車の国”という何十年も前のイメージのままでした。それが北京空港に降り立つとベンツ、アウディー、キャデラックと高級車のオンパレードで、高速道路をぶっ飛ばす車、乱立するビル群・・・私のイメージした中国が如何に古いものだったのかを思い知りました。
少人数なので移動は、地下鉄、バス、タクシーそして徒歩を駆使して、北京中を動き回りました。初日の歩数は14,500歩で、疲れた武藤先生が夕食の北京ダックを2羽も注文してしまうほどでした(苦笑)。
3日目、北京中医医院では中医腎病が専門の劉金城教授の外来診察風景を見学し、舌診、脈診をさせていただきました。我々が直接患者さんに問診、舌診、脈診を行って証を考え、劉教授とディスカッションする事もさせていただきました。昼食は病院の食堂で腎臓病の薬膳をいただき、午後は推拿と美顔マッサージ体験、劉老師の症例解説を受けました。
劉老師は我々に古典を読み、その知識を臨床に生かす事の大切さを説いて下さり、「内經は中医理論の真髄です」とお言葉をいただきました。また、中医学の勉強を続けるためには、中国の文化を知り、日本の文化との違いを理解する事も大切とアドバイスして下さりました。また、劉老師は現在の中国の中医学が弁証論治をおろそかにしつつあることにも危惧を抱いておられました。ものすごい勢いで発展成長している中国が、明治時代や高度成長期の日本の二の舞いにならず、古き良き自国の伝統文化を守ってほしいと願わずにはいられません。
3泊4日と短期間の北京研修でしたが、我々は余りある知識と刺激を受ける事が出来ました。貴重な時間を割いて丸一日御指導いただいた劉老師には、本当に感謝しています。また、機会を作って劉老師の元で研修できればいいなと思います。