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変化の多い春の養生

 

啓蟄(3月5日)から春分(3月21日)、晴明(4月4日)の頃は、三寒四温を繰り返し冬と春の綱引き状態。ひと雨ごとに暖かな土の香りや生命の息吹を感じる頃です。何か新しいことを始めたくなる時季です。

 気がつけば服屋さんの服もいつの間にか春物になって、道端には、よもぎやつくしが見られるようになりました。花々の香りが心地よくて、スーパーにも様々な柑橘類やいちごが並んできます。春はふきのとう、のびる、うどなど苦みのある山菜も出てきます。タケノコもありますね。

 山菜の苦みと果物の酸味や香り、春にはおすすめです。苦みは冬に溜め込んだ不要物のデトックス効果があります。酸味は「肝」を助けて、気や血の巡りを良くするので、強ばっている体を緩ませてくれます。

漢方でいう「肝」(かん)は現代医学での自律神経の役目をしています。

春は目覚めの季節ですから、自律神経=「肝」に負担のかかる季節です。気温差、気圧の変化も自律神経の負担になります。体の恒常性を維持するために、「肝」は全身に「気(エネルギー)・血(血液・栄養)・津液(潤い)」を適切に配分する役割をしています。

社会的にも変化の多い3月を乗り切るポイントは、自律神経を元気に保つことと、免疫力を落とさないこと。毎日、お風呂に入ってリラックスするのもいいですね。血液は30秒でカラダを一周するそうです。10分湯船で温まると血液は20周しているんだから、カラダも温まって緩みそうです。

打たれ強い自律神経にするためには、カラダの中で情報を伝える物質(神経伝達物質=漢方では血)が十分にあることが大切。

幸せホルモンと言われるセロトニン、体を活動的にさせるアドレナリンなどをバランス良く作用させる。そのためには、腸内細菌が元気なことが重要です。

腸内細菌が神経伝達物質の原料を作っています。免疫力に関係する免疫細胞もその7割が腸に存在しています。消化管はカラダに悪さをする細菌やウイルスをブロックする最前線基地です。腸内細菌が元気なら腸の免疫細胞も働きがいいのです。

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