Blogs

岡山漢方研究会(第204回)

「熱を冷ます漢方に入る 黄連・石膏」 
☆「熱」があると漢方的に判断する症状
赤・黄色(濃い)、体温、熱感(体温上昇が無くても)、亢進、炎症、脈数
☆熱が発生する原因
実熱
①外界の六淫(風・熱・火・燥・湿・寒)におかされる外因性のもの
②精神的なストレスが原因となって、その鬱積から発生するもの
③臓腑機能の過亢進
虚熱
④陰虚による虚熱
☆臓腑別の熱の症状
肝火・・・イライラ、怒りやすい
心火・・・不眠、動悸、舌尖紅
胃熱・・・食欲亢進、口臭、胸焼け、胃痛
肺熱・・・咳、痰(黄粘)
☆清熱薬の分類
①味で分類すると
苦寒グループ:黄連・黄柏・黄芩・竜胆→清熱燥湿薬(清熱解毒作用ももつ)
甘寒グループ:石膏・栝楼根
(知母は甘寒ではないが、滋陰清熱作用をもつ)
okakan204-1.jpeg
②苦寒薬と甘寒薬のイメージは
苦寒薬→化膿しているような炎症に用いる→抗生物質的
甘寒薬→炎症による痛み、熱に用いる  →解熱鎮痛剤的


③一般的な中薬学での分類は
清熱瀉火薬:石膏・知母
清熱明目薬:夏枯草・決明子
清熱涼血薬:生地黄・牡丹皮・赤芍
清熱燥湿薬:黄芩・黄連・黄柏・竜胆草・苦参
清熱解毒薬:金銀花・連翹・野菊花・蒲公英(タンポポ)・板藍根・魚腥草(ドクダミ)
清退虚熱薬:青蒿・白薇・銀柴胡・地骨皮
辛涼解表薬:薄荷・牛蒡子・菊花・蝉退
☆石膏を使った処方
白虎加人参湯
麻杏甘石湯
越婢加朮湯
☆黄連を使った処方
黄連解毒湯
三黄瀉心湯
半夏瀉心湯
甘草瀉心湯
生姜瀉心湯
黄連解毒湯:比較的体力があり、のぼせ気味で、いらいらする傾向のあるもの
清上防風湯:黄連解毒湯+α
      にきび
温清飲  :黄連解毒湯+四物湯
      皮膚の艶が悪く、のぼせるものに用いる
荊芥連翹湯:温清飲+α
      蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび
柴胡清肝湯:温清飲+α
      かんの強い傾向のある小児の次の諸症:神経症、慢性扁桃炎、湿疹
四物湯:皮膚が枯燥し、色艶の悪い体質で胃腸障害の無い人
【緋田先生のコメント】
処方を効能効果だけでなく、組成まで踏み込んで考える。
そうすると、処方の使い方がとてもイメージしやすくなります
【感想】
自分で喉が痛いときに、銀翹散に石膏剤を追加してみたり、苦寒剤を追加してみたりして試していましたが、今ひとつ使い分けが分かりませんでした。今回の講義で何となく使い分けが分かるような気がします(^_^;)
処方分析もB処方にはA処方が含まれているという事(構成生薬の比較)だけでなく、B処方の効能にはA処方の効能も含まれていると考えるとイメージがしやすくなります。
上手く説明できませんが、温清飲(黄連解毒湯+四物湯)には黄連解毒湯と四物湯の効能が含まれているという感じです。
にきびでも、荊芥連翹湯と清上防風湯のどちらを選ぶかを考えるとき、清上防風湯には四物湯の症状がないひとに使うと考えると鑑別しやすいですよね。今更かもしれませんが・・・(^_^;)
2011年8月28日 10:00 - 12:00
岡山県薬業会館
参加:大﨑、藤巻

Facebook
Twitter