仕事で正座をして作業をすることがあります。正座の後、膝がとても痛くなります。湿布をしたり、ヒアルロン酸やグルコサミンは飲んでますが、効果が良く分かりません。病院では「歳のせい」と言われます。(68歳 女性)
漢方では、膝の痛みに関係する骨や関節は「腎」の働きと関係が深いと考えています。髪の毛、歯、耳、目など老化すると症状が出やすい部分も「腎」との関わりが深いところです。
ご相談の膝の痛みも、「腎」の衰えが一つの原因と考えられるので、「腎」の働きを補って症状を改善してはいかがでしょうか。おすすめの漢方薬にウド(山菜のウドです)の根が入ったものがあります。ウドの根は、漢方で独活(どっかつ)と呼ばれ、筋肉や関節の痛み、腰痛、手足のしびれなどに効果があります。ウドの根を使った有名な漢方薬に、「独活寄生湯(どっかつきせいとう)」があります。「独活寄生湯」は骨を丈夫にして、足腰を強くして、全身のエネルギーを補うものが配合されています。加齢による痛みに使う事ができます。漢方は歳のせいにせず、足らないものは補って、余計な老廃物は取り去って、からだの調子を整えます。
ウドの大木と言えば、大きくなっても軟らかくて材木に使えないことから「役に立たないもの」の代名詞としてよく使われています。しかし、春の若芽は香りが高く、歯ざわりもよく、山菜として珍重されてきました。そのウドの根が入った漢方薬があるんです。食と薬は、結構近いものなんですね。