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食事療法の落とし穴?血虚と貧血

今日は70歳代のご夫婦のお話です。
ご主人の認知症が一気に進行して、いろいろと大変なご夫婦です。

最近、ご主人が糖尿気味だという診断で、奥様が食事療法を始められました。
というのも、奥様が元栄養士さんだったので、専門知識は十分にお持ちです。
今までもバランスのとれた食事を作られていたと思いますが、いっそう気を付けられるようにされたようです。
そうしたら、今度は医師から貧血気味だと言われたそうです。

あまり厳密にやりすぎたんですかね。

貧血になると、フラフラするみたいな症状を思い浮かべられるかも知れませんが、
精神的な疾患に貧血が隠れていることがあります。

なので、ご高齢の方で、食事量が減ったり、肉類を食べなかったりする方で、物忘れなど認知症やうつを疑うような症状のある時は、貧血も疑ってみることも大切です。

漢方では、貧血に似た、血の足りない状態を血虚(けっきょ)と言います。
漢方での血虚(血の不足、血が足りない)と貧血は同じではありません。

血虚は、その方が健康に過ごすのに必要な血の量が足りないことを意味します。
現代医学の貧血は、血液の中の鉄の濃度が低いことを意味しています。
ですから、現代医学で貧血はなくても、漢方では血虚があると判断することはあります。
その逆は、ちょっと経験がありません。

漢方での血は、体の中でどんな役割をしているかというと
①酸素や栄養分をカラダの隅々まで送り届ける
②皮膚や爪、髪、筋肉などに潤いを与える
③精神の興奮を静め、睡眠や記憶、意識を安定させる

だから、血虚があると一般的に貧血からイメージされる症状(顔色が悪い、フラフラする等)以外に、不眠、健忘、興奮しやすいなどの精神的な症状も起こります。

認知症の方が全て血虚とは言えませんが、認知症の進行を遅らせるためにも、血虚はあまり望ましい状態とは思えません。

食事量の減少、メニューの画一化など、高齢者の食事管理って難しいと思います。
食事で十分に補えない部分を漢方薬で手助けしたり、美味しく食事が出来るように漢方薬で手助けするのも方法ではないかと思います。
ただ、たくさんの薬を飲んでいる方が多いので、何の薬を優先するか難しいですね。

そうなってくると、食事の内容に漢方的な考えを取り入れられると、薬食同源で食事が薬の役割を持てるようになれば一番理想的ですよね。

カロリーや栄養素だけでない、からだにいい食事についていろいろとアドバイスできればといいなと思います。

雪だるま
もう雪はほどんど解けてますが、至る所に雪だるまが出現しましたね。
中には、見事なスヌーピーもあったそうです。
我が家の雪だるまは・・・どうかな



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