ツツジがきれいなGWを過ぎると、暦の上では夏(立夏~立秋の前日)とされています。
初夏に養っておきたいのは、五臓のひとつ「心(しん)」。
中国の古典『黄帝内経』にも“心主夏(心は夏をつかさどる)”と書かれています。
夏の疲れは動悸など心臓に来やすいものです。
「心」の働き
① 西洋医学の心臓と同じように、血を体中に循環させる。
② 意思や思考などの「こころ」としての働きも含む。
「心」は自然界の太陽と同じです。
太陽をお天道様とも言い、天地をつかさどり、すべてを見通す超自然の存在です。
「心」もからだに熱と活動力を提供するだけでなく、からだを高いところからコントロールしているのです。
「心」は血を全身に循環させる働きや精神活動に携わっているので、「心」が不調になると影響は全身に及びます。
顔色が悪い、動悸、息切れ、手足の冷え、胸痛、顔のむくみ、不眠、物忘れ、不安感、イライラ、寝汗がひどい、口やのどの乾きなどの症状が出やすくなります。
夏は陽の気が最大になる季節です。
暑くなると体は汗を出して、熱を逃がして体温を調節するようになっています。
汗をかくと血液は濃くなり、流れにくい状態になります。
心臓は流れにくい血液を全身に送るためにフル活動するようになります。
まだ、それほど暑くない初夏のうちからに「心」に栄養を補ってしっかりと動くようにしたり、「心」がオーバーヒートしないように潤いを補って、暑い夏に備えることで夏を元気に乗りきることができます。
盛夏になれば、身体にこもった熱を冷ましたり、余分な水分や熱を体の外に排出する食材を用いて心を助けることも重要になります。