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冬の養生法

今年は11月になっても気温が20度を超える日があるなど、ちょっといつもの秋とは違った感じです。しかし、木々が紅葉したり、落ち葉が多くなったり、夕方すぐに暗くなったりと季節は確実に冬へ移り変わっています。
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昨日は立冬、ちょっと早いですが冬の養生法
植物たちは、春に芽を出してぐんぐんと成長して、夏に葉を茂らして栄養を吸収、秋にはその栄養を実に集中させて子孫を残します。そして、冬は地上の葉を落としたり、茎を枯らしたりして、根に栄養を蓄える休息の季節になります。
同じように人間も寒い冬には、熊のように冬眠はしなくても休息の期間となります。
冬の養生としては、一年間溜まってきたの疲れを取るように心がけるのが一番です。
来春に向けて、エネルギーを充填する大切な季節です。
中医学的な冬の養生法
中医学では、冬は「腎」を補うと良いと言われています。
中医学での「腎」は、現代医学の腎臓の役割だけではなく、副腎などのホルモンに関係する役割も含んでいます。
「腎」は排尿や老廃物のろ過という役目だけではなく、特に人間の生命を維持するのに重要な「精(せい)」を貯蔵して、全身に精力を与えています。成長、発育、生殖という人間の生命活動の根本を支える臓腑なのです。
そのため「腎」が弱ると生命エネルギーが衰えて気力、体力も低下して活動量も落ちます。「元気がない」、「やる気が起きない」という人は「腎」が弱っているのかもしれません。
「腎」を補う
「腎」を補うものとしては、塩辛いもの「鹹味(かんみ)」とか黒いものがあげられます。これは五行説で「鹹」や「黒」が「腎」にあたる味と色とされていて、鹹味(かんみ)の食材や黒い食材は腎を補う働きがあるとされているからです。
現代では減塩が体によいとされているのに、塩を摂るのかと言われそうですが、「鹹味(かんみ)」とはナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルと考えていただければ良いと思います。
更に簡単に言えば、「天然の塩味がする食材」です。
・天然塩、みそ、しょうゆ。
・わかめ、こんぶ、ひじき、あさり、もずく、めざし、じゃこなどの海産物
塩味だけでなく苦味も含まれているのがポイントです。
くれぐれも、卓上塩(塩化ナトリウムだけの塩)を摂りすぎないようにしてください!!
もう一つ「黒い食材」ですが、先ほどあげた「鹹味(かんみ)」の食材は黒っぽいものが多くないでしょうか。黒豆、ごぼう、黒キクラゲ、黒ごまなどがあります。
血行を良くする
寒い季節になると、手足は縮こまり血行も悪くなります。末端まで新鮮な血液が行き渡らないので、顔色が悪くなったり、生理痛や神経痛、頭痛や胃痛が悪化したりします。
寒い季節、血行を良くするには、体を冷やさない養生を心がけること(あたりまえですね)です。
オススメの食材
・ネギ、ニンニク、ショウガ、エビ、羊肉、牛肉、鶏肉、根菜類
・スパイスとしてシナモン、八角など
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最後に、季節柄、忘年会や新年会どで胃腸を酷使しすぎない。
胃腸を冷やす冷たいビールを飲み過ぎないのも、現代人としては大切かもしれません。
今年もあと2ヶ月弱、ちょっと食べ物にも気を付けて、健康に新しい年を迎えたいですね。

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