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11月のおすすめ養生

 今年もあと2ヶ月、気の早い忘年会などもそろそろでしょうか?紅葉本番はまだですが、木々の所々が色づき始め、晩秋という感じですね。我が家の辺りでも、朝、もみを燃やしている煙のにおいがする季節。田んぼも稲刈りが終わって、ちょっと寂しい感じもします。
 この季節、美味しいのは新米です。新米は炊きあがったときの輝きが違いますね。それを見るだけでも、美味しいと思ってしまいます。このお米ですが、漢方薬の材料になっているのはご存じですか?漢方薬に使うのは、うるち米の玄米です。食べるのと違うのは、古い方が効果が高いと言われている事です。玄米は粳米(こうべい)と呼ばれ、胃腸を調え、元気をつけ、口渇や下痢に使われます。空咳の時によく使われる麦門冬湯(ばくもんどうとう)という漢方薬に入っています。
 「米」という漢字ですが、漢方でエネルギーを意味する「気」という漢字も元々は「气」に「米」で「氣」と書いていました。精力や精神という言葉に使われる「精」という漢字も「米」。「精」は漢方では生命そのものの意味や、生殖機能や性機能に関係する意味があります。「氣」や「精」という生命に深く関わる意味をもつ漢字に「米」が使われているんですね。これはお米にそれだけのパワーがあると昔から考えられていたからではないでしょうか。こめへんの漢字のほとんどは、お米から出来た製品やお米の状態、種類を現す漢字ですから、「氣」や「精」は特別な意味のある漢字かもしれません。
 私達が毎日食べているお米は、精米して胚芽やぬかを取り除いた白米がほとんどだと思います。漢方薬で使われるのはもみ殻をとっただけの玄米です。最近、「日本人のための食養生活 これを食べれば医者はいらない」(若杉友子著)という本を読みました。そのなかでお米のことが上手に書いてあったので、紹介させていただきます。
「白米と玄米を水につけておいたら、白米はふやけてしまうのに玄米は発芽します。発芽するということは生命力があるということです。」
生命力のある玄米は漢方薬にする価値があるんですね。新米の美味しい季節、たまには玄米のまま食べて、からだに元気や潤いを補給するのはいかがですか。
玄米白米ぬか.jpg
(左から、玄米、白米、ぬか)

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