梅の花が咲き出して、春の気配が少し感じられるようになりました。3月5日が啓蟄(けいちつ)で動物や虫が冬ごもりから出てきたり、3月20日は春分と一気に春めいてくる時候になりました。季節の変わり目は気温差も大きくて体調を崩しやすくなり、皮膚のトラブルも多くなります。
春は痒みや赤みといった皮膚のトラブルが現れやすい季節です。これは、冬の空気の乾燥や暖房の影響で、皮膚の潤いが不足することと、寒さによって皮膚が収縮して栄養をとどける「血(けつ)」の流れが悪くなることも原因です。
また、春は自然界の邪気(ヒトに悪い影響を与える)である「風邪(ふうじゃ)」の影響を受けやすくなります。「風邪(ふうじゃ)」が身体に入ると皮膚が乾燥してバリア機能が低下して、花粉などの刺激を受けやすくなります。
その他、気温の上昇など自然の変化によるストレスも皮膚トラブルの原因になります。
皮膚トラブルは、気候の変化(乾燥、湿気、寒さ、暑さ)、花粉、ほこり、黄砂などの体外からの要因「外因」と、身体の不調、もともとの体質といった体内の要因「内因」の2つに因って現れると漢方では考えます。皮膚をすこやかに保つためには、外側からのケア(外用剤を使用するなど)だけでなく、内側から体調を整えていく養生がとても大切です。
1) 漢方で皮膚と関わりの深いと考えている「肺」(現代医学の肺とほぼ同じ)の働きを良くすること。「肺」は乾燥に弱いので、からだに潤いを保つのが大切です。
2) 皮膚に潤いや栄養を届ける「血(けつ)」(現代医学の血液とほぼ同じ)を充実させること
「血(けつ)」は「脾胃(ひい)」(食べ物を消化吸収してさまざまな栄養分を作り出す消化器官)の働きで作られます。「脾胃(ひい)」の機能を高めておくことも大切です。
☆ 身体に潤いを与え、元気をつける食材
手羽先、豚足、オリーブオイル、はちみつ、きくらげ、ユリ根 など
松の実、ごま、はちみつなどからだに潤いを与える食材を食卓に常備することもおすすめ
ごま、クコの実、プルーンなどの血を増やす食材も常備しておくといいですね
☆ 早寝早起きで陰陽のバランスを整えましょう
☆ 温水、冷水のシャワーを交互に浴びて、皮膚をきたえる
☆ 入浴時は低刺激の石けんでやさしく洗いましょう。洗いすぎも洗わないのも良くありません。
参考:チャイナビュー171号