昨日は、生薬の味とその味の持つ効能について書きました。
そして、今日は普段食べている食べ物にも生薬と同じように五味があることを書きます。
「薬膳」という言葉についてですが、何となく中華料理に特別な生薬(冬虫夏草とか、熊の手とか?)を加えた物というイメージがないですか?
これぞ薬膳のイメージ?
サソリがのってます・・・
約2000年前の古代文献『後漢書』の「列女伝」のなかに、薬膳という言葉が使われています。
「母親のつくる薬膳は情愛のこもる、なににも勝る食事である」という内容です。
普段の食事が、健康を維持するのにとても大切です。
お母さんは、なにげに家族の健康を考えて料理を作っている。
お母さんの手料理は、ありがたいという事ですね。
お母さんじゃなくても、妻の料理も当然ありがたいですよ!!
普段の食事に使っている食材のもつ効能を理解しておくと、健康管理に役立つと思いませんか?
特別な生薬や漢方薬、サプリメントを飲まなくてもいいのです。
中医学では、食材の効能を食材の食味(五味)と食性(五性)という「ものさし」で分類しています。
今日は、この二つの「ものさし」のうちの五味について考えてみます。
◆食味(五味)
食材には必ず味があります。中医学では、生薬と同じように食材にも五味があると考えています。
しかし、この五味(甘い・しょっぱい・酸っぱい・辛い・苦い)というのは、実際に感じる味だけで決められているのではないのです。
この五味は、からだの五臓の働きとつながっていています。そして、実際に感じる味以外にも、その食材が持っている効能を五味に追加しているのです。甘い味が感じられなくても、甘い味の持つ効能(補う・穏やかな作用にする・ゆるめる)を持つ食材には甘という味にしています。だから、あれこの食材はそんなに甘く感じないと思う事もあります。
例えば、エビやうなぎなどの魚介類、牛肉などの肉類などです。でも、うなぎを食べたら元気になりますよね。元気を補う食材なので、五味は甘なのですね。
五味のそれぞれの効能や五臓との関係については、昨日の生薬の五味で説明したことと同じなので、省略しますね。
明日は、食材の持つ五性(すごく温める・ちょっと温める性質・温めも冷やしもしない・ちょっと冷やす・ものすごく冷やす)について書きたいと思います。